住宅ローンを契約した場合、多くの方が火災保険に加入します。
銀行や不動産屋で提示された火災保険のお見積もりを目にして、額面の大きさにドキッとした方も多いのではないでしょうか。


目次
火災保険の相場とは?
火災保険の世間一般の相場は、建坪40坪程度の注文住宅のケースでは、1年契約で約2.5万程度、最大の10年契約では25万~30万円に対して、新築マンションの場合は、耐火建築物の為、1年契約では1.3万前後、10年契約では13万前後になります。
前述の価格は、基本的に火災保険限定の額面で、地震保険や家財保険が一緒になっていない一番低い掛け金になります。
※家財保険を5~600万円分をオプションとして申し込むときは、前述の額面に+10万円前後必要です。
特に注文住宅の場合は、準耐火建築物と、木造建築物(22条)では火災保険料が+10万程度変わりますので、住宅の構造には注意が必要です。
注文住宅の構造を理解しよう!
火災保険料を左右する住宅の構造を「M構造・T構造・H構造」に大別されます。
M構造とはマンションの構造を短縮したもの、耐火性に優れた鉄筋コンクリートの物件のことを言います。
そのため火災保険料が最も低くなります。
T構造とは、準防火地域に当てはまっている建築物のことです。
注文住宅の多くは、耐火構造ではなく、準耐火建築物が最も火災保険が安く済みます。
H構造とは、通常の建物の事です。(耐火建築物・準耐火建築物の属しない建築基準法22条)
注文住宅の火災保険を相場よりも安くする方法とは?
火災保険料の高い順は?
- H構造
- T構造
- M構造
です。
火災保険料を安くする方法はズバリ、省令準耐火構造を利用することです。
お部屋で家事が発生した場合、隣の部屋や外への延焼を遅らせることを目的として建てられます。
1階天井に強化石膏ボードを貼ったり、断熱材や軒天換気口、軒天材の厚みを増したり等の若干のコストアップは必要ですが、火災保険が確実に安くなります。
木造住宅だかと諦めるのではなく、住宅会社へ価格差を問い合わせしてみてはいかがですか?!
省令準耐火に該当していれば、火災保険の担当者に伝える事で火災保険料が安くなります。
また、年払いよりも、最長期間(10年)で加入したほうが、火災保険料が安くなります。
注文住宅の火災保険に特約は必要なのか?
近年、必要な補償内容のみをコーディネートしてオーダーメイド感覚で、保険を構築することがあります。
更には、オーソドックスな火災保険では地震の損害は見てもらえません。別途地震保険が掛かります。
地震保険は火災保険とまとめて加入しかできません。
また、保険金額には上限があって住宅は5,000万円、家財は1,000万円です。
保険金額は建物の構造区分と住所によって異なりますが、契約額100万円当たり500円から3千円です。
次に特約ですが、必要なものと不必要なものを選り抜き 、上手く加入しなければ損してしまいます。
火災保険の特約は3つに細分できます。
- 基本補償を充実させる特約
- 第三者への損害賠償の補償
- 基本補償とは関係性の低い補償
特約の有無は保険会社や商品ごとで変わってきます。
主要な火災保険の特約を紹介します。
掲載する特約を扱っていない保険会社もある一方で、
保険会社によってオリジナルの特約を取り扱っているケースがあります。
諸費用補償特約
復旧費用に加算し、復旧にかかる諸費用に該当する金額をを補償する特約。
建て替え/取り壊し費用補償特約
建物評価額の70%を超える改修を要する損害が起きたら、同一水準の住宅を建築するか解体する費用が補償される特約。
臨時賃借・宿泊費用補償特約
火災など家が住めない状態になって、一時的に賃借やホテルへ寝泊まりするケースの費用を補償する。
失火見舞金費用補償特約
近隣の家に火が燃え広がった場合など、損害を負わせたケースでの見舞金を補償する特約。
類焼損害特約
火災で隣の家に火が燃え移った場合、法的賠償責任は生じることはありませんが、保険会社独自で被保険者の住居が火元で隣の家に火が燃え移った場合の損害を補償する特約。
※被害者が火災保険加入済みの場合かつ、保険金で損失を補償出来る場合は補償対象外。
施設賠償責任特約
建物内におけるトラブルで第三者に損害を課したケースでの賠償費用を補償。 例えば、経年劣化で外壁一部が落下してご近所さんの車にぶつかったなど。
個人賠償保険費用特約
子どもが遊んだりしていて、ご近所さんの家を傷つけてしまった場合など、の賠償補償をする特約。
日常生活に関する補償
更新バックアップ特約
音信不通で火災保険の満期更新が不可能だった場合、自動延長されて保険適用外期間ができることを防ぐ。
鍵の紛失サポート
鍵を失くしてしまった時の出張鍵開けやシリンダー交換の料金等を補償する。
水道トラブルサポート
水トラブルを提携会社が無料修理を対応する特約。
引越中の損害補償特約
引っ越し中に家財が破損した場合でも、損失額を補償してくれる。
注目度と需要が高い特約は?
火災保険特約の中でも注目度と需要が高いのが個人賠償補償特約です。
火災や災害とは無関係の特約ではありますが、幼いお子さんがいるご家庭や犬を飼っている場合など、第三者へ危害を及ぼすおそれが多少でもあるならば加入していれば、ひと安心です。
特約費用は年間千円~2千円程度とお手頃な割に補償範囲が様々です。
ただし、特約は、幅広い保障内容なので、他の保険と重複している場合があります。車の保険に付属されていたり、入院保険等と重複していたり等など。